中国最強のスマート物流企業「京東物流(JD Logistics)」 〜中国EC物流最前線〜

-越境物流-

2022.04.19

中国最強のスマート物流企業「京東物流(JD Logistics)」 〜中国EC物流最前線〜

2022年1月21日、中国国家郵便局が2022年第一回プレスブリーフィングで、2021年度中国宅配業顧客満足度ランキングを発表しました。公開データによりますと、2021年度中国宅配業顧客満足度ランキングでは、S.F.エクスプレス(順豊速運)が1位、京東物流(JD Logistics)が第2位、中国郵政速逓物流(Express Mail Service)が第3位です。

今回のレポートは、中国EC物流市場でアマゾンの物流サービスにブランドイメージが近い、巨大ECプラットフォームを運営するJDドットコム(京東)の物流子会社「京東物流」を徹底解説させていただきます。JDドットコムは、2021年10月26日付越境ECレポート「中国EC概要と市場を牽引する3大プレイヤー」でも解説しています。

京東物流について

京東物流は2017年に中国のEC(電子商取引)大手会社JDドットコムから分離して独立しました。設立初期は、JDドットコムに出店するEC事業者にフルフィルメント施設での倉庫保管、輸送、配送、アフターサービスといった包括的なサプライチェーンと物流ソリューションを提供することに限定されていました。

2018年にJD Expressという京東宅配便サービス(B2C)を開始し、2019年に「メーカー→流通業→消費者」までの新輸送サービスの外販を、京東出店企業以外も対象にしてスタートさせました。現在では、同社のB2B物流ネットワークは中国全土の地域をカバーし、直販配送サービスも中国人口の99%をカバーしています。まさに中国物流業界の成長と国民生活の改善に大きく貢献し、すでに社会インフラの一端を担う巨大企業にまで成長しました。京東物流はアリババグループの「菜鳥網絡(Cainiao Network)」の最大の競合でもあり、中国のEC物流市場を牽引する2強体制が確立しております。 

京東物流の会社沿革

■2007年 京東物流の前身である京東グループの物流部門を設立

■2014年 超大型スマート物流センター「アジアNo.1」を上海に設立

■2016年 正式に外部にサービスを提供し始める

■2017年 世界初のB2C分野における「無人倉庫」を導入

■2018年 京東物流の宅配ロボットは北京市内路上で運用開始

■2019年 中国EC物流包装基準団体の創立に参画

■2021年 香港上場、初日の時価総額は2800億香港ドルを超える

 

京東物流の強み

京東物流は「サプライチェーンのスマート化」を最大の強みにする物流会社です。2021年5月28日に、京東物流はその上場目論見書で、「スマート物流」をキーワードに会社ミッションを次のように掲げています。

「世界で最も信頼できるサプライチェーンのインフラサービス会社になること」「中国をリードする技術駆動型のサプライチェーンソリューションおよび物流サービスの企業になること」

2021年末時点の公表データによりますと、京東物流は、5500件以上の技術特許とコンピュータソフトウェアの著作権を保有しています。その中でも、世界初の全工程無人倉庫や業界初の5G機能を取り入れた、無人技術関連の技術特許が3,000件以上に上っています。

京東物流はこういった技術革新の長所を活かしながら、中国全土にリアル倉庫1,300箇所以上を運営し、総面積2億4,000万㎡の倉庫キャパシティを擁するまでに成長しました。

京東物流ESG

京東物流は社会的責任を重視する会社でもあります。2019年10月、京東物流は中国で最初に、科学に基づく目標設定イニシアチブ(SBTi, Science Based Targets initiative)に正式に参加した物流会社になりました。2020年5月、京東物流はサプライチェーンの脱炭素化でグループ会社から10億元(約180億円)の投資を受けました。また、同年11月、京東物流は、2030年までにCO2(二酸化炭素)排出量を2019年比で半減するSBTi目標を発表しています。

その目標を実現するために、京東物流は下記の脱炭素政策を打ち出しました。巨大物流企業である京東物流は、世界の最先端のESG企業としても注目を集めることになりました。

①グリーン配送:「グリーン物流」の実現に向けて物流車両の電動化を強化。

②グリーン包装:梱包資材の節約に取り組み、エコ資材と再生プラスチックを全過程に運用。

③グリーン倉庫:屋根の上に太陽光発電システムを設定し、再生可能エネルギーの利用を最大化。

④パートナーシップ:自社のグリーン化を進行すると同時に、グリーン物流に関する自社成果をパートナー会社に共有。

まとめ

今回のレポートのように巨大EC大国である中国から、世界トップレベルのスマート物流企業が誕生しました。中国発の巨大物流企業は、世界中にその影響力を拡大しているので、中国越境EC市場はますます諸外国からの参加がしやすい社会インフラとして進化を続けていくことになります。ダイレクトチャイナでは、京東物流をはじめ、中国物流企業との様々なネットワークを構築し、貴社のビジネスモデルに合わせて、物流の最適化、中国市場にむけたサプライチェーンの構築を提案していきます。

今後もダイレクチャイナでは、中国EC企業の事情や、中国消費者の購買動向を常に研究し、レポートを配信し続けてまいります。中国ビジネスに興味があるお客様、中国越境ECに関する最新時流を把握したいお客様、すでに中国市場に進出して課題を抱えているお客様、自社の商品を中国で販売することをご検討されているお客様にむけて個別相談会を随時行っております。お気軽に当サイトのお問合せフォームからお申込みください。

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