コロナ終息後のスタートダッシュ中国インバウンドビジネス〜CTRIP編〜

-越境販促-

2022.05.10

中国最大手オンライン旅行会社の越境ECとその魅力〜CTRIP編〜

現在は、上海市内のロックダウンで大きな影響が出ている中国市場ですが、2022年の2月は中国の旧正月(春節)の7連休にあたって、中国国内旅行市場は好調でした。旅行予約プラットフォーム「シートリップ(Ctrip)」のデータを見ると、農村観光での宿泊は前年比で倍増となりました。更に、北京冬季五輪の開催期間(2022年2月4日〜20日)は、ウインタースポーツ観光型の観光地の売上が大幅に増加しています。さて、ここでの旅行予約プラットフォーム「シートリップ(Ctrip)」は、一体どのようなプラットフォームでしょうか?

Trip.comグループは世界最大級のオンライン旅行会社で、2003年にはNASDAQに上場(NASDAQ: TCOM)しました。45,100名の従業員を擁し、会員数は4億人(うち中国国内は約3億人)を超えており、東京をはじめ、ニューヨーク、エジンバラ、シドニー、香港、ソウルなど、世界中の都市にオフィスを構えています。2020年中国オンライン旅行市場シェアの調査データで、Ctripは40.7%を占めています。つまり、コロナ禍以前の訪日中国人の観光客の4割がCtripを使っていたということになります。コロナ明けのインバウンド需要再喚起にむけて、注目したいデジタルプラットフォームです。

■Ctripの基本情報

運営会社:Trip.com Group
設立時間:1999年
事業内容:オンライン旅行に関する事業 ※市場シェア:40.7%
MAU :2.1億人 ※MAU=月間アクティブユーザー数
ユーザービリティ:インバウンド旅行、企画販売

■Ctripの会社沿革

1999年 Ctrip旅行サイト設立
同年 10月に中国で最大のホテル予約を記録
2003年 アメリカNASDAQに上場
2009年 会員数は4000万人に突破
2014年 中国最大なオンライン旅行グループに
2017年 世界初の旅行SOSサービス
2019年 グループ社名変更Trip.com Group
同年 TripAdvisorとのグローバル連携ループ社名変更協定を締結
2021年 全会員数4億人

このCtripですが、実は越境EC機能も併せ持ち、日本企業にとってはインバウンド誘客と合わせて、越境ECの立上がしやすいプラットフォームでもあります。どのように中国人消費者がCtripの越境ECを使っているかをみていきましょう。一般的な使い方は次の3つのパターンがあげられます。

使い方1:旅行前に欲しい商品をした調べして予約、日本のお店で現物を見て決済
使い方2:旅行中に買った日本の商品がとてもよくて、中国から越境ECでリピートオーダー
使い方3:日本に行ったことはないが、友達から評判を聞いて越境ECでオーダー

こういった使い方をみていくと、訪日インバウンドむけの販促にあわせて、同プラットフォームで越境ECを展開することが、幅広いユーザーに自社商品を知ってもらったり、興味をもってもらったりするきっかけになっていると考えられます。

企業側視点からのCtripの活用方法は、主に自社商品を日本で販売するスポットがあれば、自社のクーポン券をプラットフォームに登録し、訪日観光客をショッピング誘導する機能が基本となります。それに加えて、Ctripの越境ECプラットフォームに自社商品を同時出品して、中国にいる消費者に販売する機能を併設させていくことが望ましいです。この越境ECプラットフォームでは、中国で社会インフラになったライブコマース販売も展開しやすく、天猫国際などの大手ECプラットフォームと比較すると物流面などの制約条件も少なく、初めての越境ライブコマースでCtripを選択されるブランドも多く見られます。

 

Ctripの強みは大きく次の3つにまとめられると考えております

強み1 :購買力の高い3億人の中国国内のユーザー基盤

会員規模数では、中国最大の天猫(約7億人)とそのライバルのJD(約4億人)に次ぐ会員基盤がすでに出来上がっています。Ctripユーザーは日常的に中国国内で、航空券、ホテル、新幹線チケット、旅行パッケージなどを購入するアクティブで購買力の高いユーザーが基盤でもあることが強みといえます。

強み2:越境ECと越境ライブコマースの参画ハードルの低さ

天猫国際、JDグローバル、Kaolaの3大プラットフォームは参画ハードルも高く、初期広告投資も大きくなります。また中国ECで必須のライブコマースを展開するにはさらに大きなコストを必要とします。一方で、今回はCtripの越境インフラを舞台に、比較的少ないコストでもライブコマースに参画でき、自社旗艦店をださなくとも商品を展開してくれる店さえ確保できれば、越境ECを展開しやすいメリットがあります。

強み3: インバウンド需要とのシナジーを発揮

コロナ禍が収束したとしても、すべてのCtripユーザーが訪日旅行を再開するわけではありません。ですが、訪日旅行をして日本の商品を購入したユーザーは商品に満足をした場合に各種越境ECサイトで商品を検索します。Ctripには日本商品の専用越境ECページがあり、このサイトに誘導するリピート販促や、訪日旅行者からのクチコミ誘発の受け皿としてのプロモーションを展開しやすいといえます。インバウンド需要誘発とのシナジー企画として越境ECや越境ライブコマースを検討すればシナジー効果は高まりますし、他の越境ECプラットフォームにはない強みともいえます。

日本ブランドがCtripを利用することで期待できる効果について説明します。

最大の期待効果は、まだ知られていない商品を中国市場で認知度を急速に向上させられることがあげられます。

Ctripプラットフォームを利用して、まずはインバウンド誘客型で日本企業の商品やブランドを中国人消費者にPRすることで初期の認知度向上に繋がります。特に自社店舗や自社の販売スポットを常設でお持ちのブランドにとっては、成果報酬型で長期に渡っての誘客広告を展開することが可能になります。そのうえで、継続的に越境ECで販促イベントを打ち出すことで効果的な認知度向上を持続させていくことが可能になります。

第二の期待効果は、本格的に中国ビジネスに参画するまえに、越境ライブコマースをテスト的に実施して自社の商品力やユーザーの反響を掴むことです。

天猫国際やJDグローバルへの出店は、長期的な視野で戦略的に勝負するチャネルですが、Ctripの越境ECチャネルは本格的に中国市場に投資する前でも、自社の商品がどれくらいのユーザーに支持されるのか、本格投資する際にどれくらいの反響が見込めるのかの基本データがとりやすチャネルでもあります。そのデータをもとに、他のプラットフォームへの投資額を見極めたり、Ctripが効果的と判断された場合は継続的な越境販促を展開していったり、効果的に中国市場への投資を拡大していくことが可能になるのです。

今回のレポートでは、Ctripの基本情報、会社沿革、Ctripの使い方・強み、Ctripを利用することによって期待できる効果を紹介致しました。アフターコロナで誰よりも早くインバウンド需要喚起のリスタートを狙うには理想的なデジタルプラットフォームであると判断できます。特にインバウンド販売のあとの、リピート需要を狙ううえで越境ECを受け皿にしたり、越境ライブコマースをテストしたりと他の越境ECプラットフォームにはない強みを解説してきました。

ダイレクトチャイナでも実際にCtripを活用した販促事例の紹介なども個別面談で対応させていただいております。また、はじめて中国でビジネスを検討される日本の企業さまに、越境ECチャネルの選びかたや、落とし穴なども丁寧に解説させていただいております。商流も物流も中国ビジネスに関するお問合せは、お気軽に当サイトのお問合せ欄からご連絡くださいませ。

////////////////////////////////////////////////////

ダイレクトチャイナ推進室

・物流と販路構築を組み合わせた中国ビジネスプロデュース

・テスト販売から始める中国越境EC

・海外通販市場むけのパッケージデザイン、マーケティング

・はじめての越境ライブコマース

・国内外向けの通販一貫物流サービス

・国内外通販物流コストの見直し

・他ブランドと共同での販促企画


お気軽にお問合せください。こちらからどうぞ
▼日本から中国への越境EC物流に関してはこちら▼
越境EC物流サービス
▼日本から中国への販路拡大に関してはこちら▼
越境EC販促サービス 
////////////////////////////////////////////////////