巨大中国国内EC市場基盤のうえに成り立つ越境ECの躍進〜中国EC市場3大プレイヤー〜

-越境販促-

2021.10.26

巨大中国国内EC市場基盤のうえに成り立つ越境ECの躍進

インターネットが販売者と消費者の架け橋となっている現在、中国の越境EC市場規模は爆発的成長を続けています。中国商務部の『中国E Cレポート(2019年)』によると、中国の越境E C貿易総額は2015年から2019年の5年間で50.8%の年平均成長率を実現してきました。

中国国内のECの伸びはどうでしょうか?中国国家統計局のデータによりますと、中国のEC市場総額は2015年から2019年までに26.42%の年平均成長率です。つまり中国では越境EC成長率が国内EC成長率の倍以上という結果となります。2020年のコロナ禍の影響で中国人の海外旅行消費からのシフトによって中国向け越境ECの伸びは顕著だったといえます。中国越境ECは、中国国内ECに比べると7分の1の市場規模(グロス販売額)ですが、まだ伸び続けることでしょう。

図1 2015年から2020年の中国の越境EC市場と中国のBtoC-EC市場の貿易総額

中国越境ECは、すでに巨大市場としてさらに成長を続ける中国国内EC市場の基盤の上に成り立っているビジネスと捉えるべきです。そこで今回は中国国内のEC市場について理解を深めるためのレポートを行います。

6000万人以上が中国EC関連の仕事に関わる

中国国内の宅配便個数も急速に増加傾向がみられます。日本国土交通省のデータによりますと、日本2019年の宅配便個数は43億2,300万個となっており、2009年の31億3,700万個と比較して、10年間で37.8%の伸長率でした。ですが、中国2019年の宅配便個数はと中国国家郵便局635億2,000万個で、日本の43億2,300万個と比較すると14倍以上となっています。人口比率をさらに上回る差ですので、中国は国内の隅々までECがすでに定着していることを示す数字と読み取れます。
巨大な宅配便個数を処理できる背景には、EC関連の雇用の伸びがあります。2020年に中国EC業界従業者数は6,015.33万人で、対前年比17%増加しました。アリババグループやJDグループなど巨大な資本を抱えるECプラットフォームが物流の仕組も自社中心に整備し、より多くの雇用を新たに生み出しました。当然、人海戦術でのオペレーションではなく、デジタル化、ロボット化を進めながら、EC分野において新技術やマーケティングの領域で新たな雇用を創出しているのが中国ECの特徴です。

人口が日本の約13倍ある中国では、日本より遥かに大きいE C市場規模と宅配便物量があるため、国外市場を狙いたい日本企業にとって魅力的なビジネスチャンスがあることは間違いありません。そこで今回は、中国E C市場で必ず知っておいてほしい中国3大E Cプラットフォームについて紹介したいと思います。

3大プレイヤーが中国国内ECを牽引中

競争の激しい中国のEC市場で勝ち残ることは簡単ではありませんが、企業の市場価値が数千億元レベルのスーパーユニコーン企業が3社存在しています。その中で企業価値が1兆元レベルを超えているアリババグループ(タオバオ&天猫&天猫国際の運営会社)が1位、上海尋夢信息技術有限会社(ピンドウドウの運営会社)と京東グループ(京東と京東国際の運営会社)が2位と3位です。その3社とも2020年の決算書を公開しているので、以下の表で比較してみます。

図2 2020年中国E C市場の3大プレーヤーの比較

中国ECのスーパーユニコーン企業の成長は新型コロナウイルス拡大によって促進されました。アリババグループは長年中国E C市場の1位を占めると同時に104.02%の純利益増加率も実現できました。アリババグループは、E Cの以外、小売業界のデジタル化にも注力しているためのようです。

ピンドウドウはユーザー規模が7.9億人で、1999年に設立したアリババグループを超えました。確かに、2015年にスタートしたピンドウドウの売上はまだアリババグループや京東グループと大きな差異がありますが、97%の売上増加率が世界から注目されています。2位の企業はトップを取る戦略で、投資に投資を重ね大きな戦略赤字を出してでも、ユーザーの獲得を急いでいます。すでにアリババグループの強力なライバルに君臨するに至りました。

最後は京東グループです。京東グループが売上の面で1位となっています。京東グループは日本でのアマゾンのような存在の企業といえます。展開するECは家電製品や高価格品に強いので、ECでの売上を比較するとアリババよりも上位に上がります。京東グループも、1位のアリババのユーザー数を追い抜こうと、ユーザー獲得に躍起になっています。現在はこの3社はスマホ所有者がすでに日常的にアプリを使ってECを利用する社会インフラとして確立しており、ユーザーはこの3社を比較しながらうまく使い分けているのが実態です。

さて、来月11日は中国最大の国民的イベントである「独身の日」です。アリババグループの天猫が主戦場となる大販促イベントの日がやってきます。当レポートでも現在中国で起こっている「爆売り」の実態をレポートしていきます。2021年の中国最先端レポートにぜひご期待ください。

 

////////////////////////////////////////////////////

ダイレクトチャイナ推進室

・物流と販路構築を組み合わせた中国ビジネスプロデュース

・テスト販売から始める中国越境EC

・海外通販市場むけのパッケージデザイン、マーケティング

・はじめての越境ライブコマース

・国内外向けの通販一貫物流サービス

・国内外通販物流コストの見直し

・他ブランドと共同での販促企画

お気軽にお問合せください。こちらからどうぞ

▼日本から中国への越境EC物流に関してはこちら▼
越境EC物流サービス
▼日本から中国への販路拡大に関してはこちら▼
越境EC販促サービス
////////////////////////////////////////////////////