中国3PL物流企業最大手「菜鳥網絡(Cainiao Network)」〜中国EC物流最前線〜

-越境物流-

2022.03.22

中国3PL物流企業最大手「菜鳥網絡(Cainiao Network)」〜中国EC物流最前線〜

今回のレポートは、中国EC市場最大のキープレイヤーであるアリババグループの中核物流会社「菜鳥網絡」を徹底解説させていただきます。中国でECに関わるすべての企業、すべてのECユーザーにとって非常に身近な存在であり、もはや中国の社会インフラとなっている企業です。

2021年12月20日、Hurun Research Institute(胡潤研究院)が2021年世界ユニコーンランキングリスト(Global Unicorn Index 2021)を発表しました。アリババグループ(Alibaba)傘下の菜鳥網絡(Cainiao、ツァイニャオ)は9位に位置し、中国市場で最も評価額の高い物流企業となりました。(21年12月時点の評価額340億米ドル)

菜鳥網絡は、アリババグループのEC事業の発展による膨大な物流負荷に対応するために、リテール業界大手の銀泰集団、工業大手の富春集団、キャピタル大手の復星集団および物流会社の順豊、中通、円通、申通、韵逹の合弁よって2013年に設立された比較的歴史の浅い物流会社です。その後、アリババグループの増資により、2017年からアリババグループの子会社になっています。アリババグループになったことで、菜鳥網絡は取り扱いボリュームを激増させることになります。

2020年の独身の日に、菜鳥網絡とそのパートナー物流会社は11月11日から11月18日までの1週間で18.8億個の荷物を配送し、過去最高記録を更新しました。最終的に、2020年の独身の日は23.2億個の配送実績となり、独身の日の配送業務だけで日本の約半年間のEC物量をたった1社で配送したことになります。

 

菜鳥網絡の会社沿革

2017年 ブランドを刷新
2013年 設立
2013年 独身の日 1.56億個の荷物を配達
2014年 独身の日 2.78億個の荷物を配達
2015年 独身の日 4.67億個の荷物を配達
2016年 シンガポールやマレーシアの政府系ファンドから資金調達を完了
2016年 独身の日 6.57億個の荷物を配達
2017年 独身の日 8.12億個の荷物を配達
2018年 全世界72時間以内の配送を実現するため、全世界に物流ハブの設置を開始
2018年 独身の日 10.42億個の荷物を配達
2019年 独身の日 12.92億個の荷物を配達
2020年 独身の日 23.2億個の荷物を配達
2020年 「菜鳥網絡スマートパッキングアルゴリズム」により、累計5.3億個の梱包材を節約
2021年 日平均荷物配達数500万個を超え

菜鳥網絡の強み

世界最大の物量を処理する菜鳥網絡の強みは、ビッグデータに基づく出荷物量予測と倉庫管理システム(WMS)の連携、無人搬送車(AGV)等の徹底した省人化オペレーションが完成していることです。菜鳥網絡は、AIをはじめとする最新テクノロジーとビックデータを最大限に活用し、中国スマート物流の基幹ネットワーク(China Smart Logistic Network、略称CSN)という物流プラットフォームシステムを確立させています。

このシステムのおかげで、現在の市場がどれくらいの大きさで、自社の商品が今後これくらい出荷されるだろうという精度の高い需要予測データが、アリババグループのECプラットフォーム出品企業に共有されます。独身の日などの大型イベントにおいて、出品企業はこのシステムによる高い精度の需要予測をもとに、自社の生産計画や在庫を調整できるという大きな恩恵を受けることになります。

現在、菜鳥網絡は他社でも利用しやすい開放的な物流企業のプラットフォームとして物流業界全体の効率化を図ることをミッションとしています。2020年年5月時点まで、菜鳥網絡は224カ国と地域での3,000社以上の物流パートナーと提携すると同時に、240ヶ所以上の倉庫を確保。その結果として1日に処理する物流データが16兆件以上、1日に取扱う荷物が1億個以上に達しました。菜鳥網絡は「中国全土24時間、全世界72時間」で荷物を配送できるスマート物流プラットフォームをミッションに、中国だけでなく世界の物流をリードする企業となりました。全世界で新型コロナウィルスの感染拡大が進む中、、菜鳥網絡は企業市民としてコロナ禍での社会的責任を追求し、防疫用品の生産、在庫、運送、通関、配達などすべてのプロセスにも貢献し、アリババグループとして世界の物流ネットワークの安定を実現することに力を注いでいます。

 

まとめ

今回のレポートのように、EC大国である中国が世界トップレベルのEC物流企業を生み出したことになります。中国発の巨大物流企業が、日本だけでなく世界にその影響力を拡大しています。近年、日本から中国への越境EC事業を展開する企業が増加していますが、どのような形でアリババグループのECに参入し、どのような物流で商品を菜鳥網絡へリレーしていくかも重要な課題になります。ダイレクトチャイナでは、菜鳥網絡をはじめ、中国資本の物流企業との様々なネットワークを構築し、参入するECプラットフォームに合わせて、最適な物流のあり方、日中一貫物流体制の構築を提案していきます。

今後もダイレクチャイナでは、中国越境物流の事情や、中国越境EC市場の動向を常に研究し、レポートを配信し続けてまいります。現在の配送形態を見直したいお客様、これから越境ECを立ち上げ最適な物流形態を構築したいお客様、越境ECに関する最新時流を把握したいお客様はお気軽に当サイトのお問合せフォームからご連絡ください。

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