中国最大手口コミアプリREDの越境EC物流〜中国EC物流最前線〜

当レポートにて、「スモールからスタートできる中国越境ビジネス〜中国最大口コミアプリRED編〜」と題して、中国最大手口コミアプリ「RED（小紅書）」とインバウンドビジネスでの活用法を以前に紹介させていただきました。
今回は続編レポートとして、REDの物流のしくみを解説させていただきます。

まずはREDについてのおさらいです。REDは日本で親しまれているインスタグラム的なSNSにEC機能を付け加えたアプリになります。元々海外ショッピングガイドとして生まれましたので、若くて可処分所得の高い、流行に敏感な女性がメインのユーザー層となっています。現在では海外の美容関連商品の最新情報やトレンドを掴めるアプリとしてユーザーから非常に高い支持を集めています。
ユーザーは最新情報をアプリ上で仕入れて、そのままREDのECで商品をオンライン購入するのが一般的な使い方となっております。現在中国国内でのアクティブユーザーは1.3億人を超え、中国越境ECビジネスにおいて、化粧品など特に女性向け商品には欠かせないプラットフォームになっています。

ここから本題です。REDを越境ECで活用する際の同社の物流のしくみについてみていきましょう。

同社が提供する物流のしくみは、大きく２つの方式があります。

１つ目は「保税区モデル」です。ここでいう「保税」というのは、商品が海外から中国に発送され通関が完了する手前の状態をさし、「保税区」とはその保税中の商品を一時的に保管する区域や倉庫のことを指します。保税区モデルを利用する際は事前に中国国内にあるREDの保税倉庫に在庫を預ける必要があります。REDアプリで注文を受けたあと、REDの物流スタッフが保税倉庫にある商品を一つずつ梱包し、通関を経て注文者の元へ配送されます。
このモデルのメリットは「日本直送モデル」と比べて送料が抑えられることです。また、中国国内から商品を発送するため、納品までのリードタイムも日本直送より短縮できるメリットも大きいと言えます。
ただし、「保税区モデル」を利用するケースとしては、中国ですでに一定の認知度があり、売上も安定している商品向けといえるかもしれません。そういった商品であれば、どれくらいの在庫を保税区に保管するかの目途が立てやすくなるからです。反対に認知度がまだ低く、売上が安定していない商品は、在庫量を少ないデータで決定しなければなりません。そうすると、在庫リスクが高くなるうえに、長期保管になると保管コストが嵩みますので、リスクの高い物流形態といえます。

２つ目は、日本直送モデルです。前述した知名度がまだ低く、売上が安定しないスタートアップ段階のブランドの物流に適したモデルとなります。日本直送モデルが保税区モデルと大きく異なるのは、日本に在庫を置きながら、注文が発生する度に中国のエンドユーザーに発送する方式を取ることです。
海外からの直送モデルの中にはCCモード（行郵通関）とBCモード（EC総合税通関）の２つのパターンが存在します。REDでは税関情報と注目情報、物流情報が連結されるBCモードを採用しています。このモードを活用するためには事前に電子通関で販売商品の資料を提出し、登録しておく必要があります。ECプラットフォーム側から予め商品情報、支払い情報、購入者情報（中国では三単合一という）を提出し中国税関の情報システムがこれらを確認・運用するという仕組みです。中国では政府から認定された大手ECプラットフォームにのみBCモードの活用を認めています。BCモード方式を利用すれば、発送伝票の発行や通関がスムーズで、身分証明書の提示もすでにプラットフォームに登録されている個人情報をそのまま利用可能のため、注文時にユーザーがわざわざ改めて身分証明書の画像をアップロードする必要がなく、CCモードと比べてユーザービリティが非常に高い物流方式といわれています。さらにBCモード方式の税率は、行郵通関（CCモード）の税率に比べると、たとえば一般化粧品を例にとると、CCモードが税率20％に対して、BCモードは9.1％と半分以下の水準になります。
中国初上陸のブランドがCCモードで配送された場合、すでに販売中の競合ブランドがBCモードで輸送されていたとしたら、この価格差は大きな参入障壁となります。中国初上陸ブランドでも初期段階からBCモードを活用できるREDの日本直送は非常に適切な物流形態といえます。
最後に、REDの日本直送モデルの物流サービスの特徴として「RED BOX（日本小包）」を紹介します。RED BOXはREDが運営するBCモードの日本直送パッケージとお考えください。
注文が入った時点にRED指定倉庫に商品を出荷し、航空便を使って中国向けに発送するため、納品までのリードタイムは通常1週間程度と早く、コストも航空便と比べると割安で、大きなリスクのない物流サービスです。
使い方は非常に簡単で、最新の注文をREDの管理画面で確認し、注文情報をエクセルファイルでダウンロードをし、配送用ラベル（PDF）を出力して、日本国内のRED指定倉庫に発送するだけです。

日本に在庫を置きながら、注文ごとに直接中国のユーザーに低コストで発送できるサービスとなりますので、航空便を手配する必要もなく、REDが日本国内の数か所の倉庫から商品を直接中国のユーザーに発送してくれるサービスですので、非常に使い勝手が良いといえます。ダイレクトチャイナではREDで出店するブランドで、まだこれから本格的に販売を開始する段階では、RED BOXを基本的にお勧めしております。

まとめ

今回のレポートは、中国最大の口コミアプリで、特に女性向け商品に絶大の影響力を持つREDの物流を解説しました。ダイレクトチャイナでは、REDのビジネスモデルへの参画支援などを含め、お客さまに適した越境プラットフォームとのマッチングを行っております。お気軽に当サイトのお問合せフォームからご連絡ください。

今後もダイレクチャイナでは、中国越境物流の事情や中国越境EC市場の動向を常に研究し、レポートを配信し続けてまいります。現在の配送形態を見直したいお客様、これから越境ECを立ち上げ最適な物流形態を構築したいお客様、越境ECに関する最新時流を把握したいお客様はお気軽にダイレクトチャイナまでご連絡ください。

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