スモールからスタートできる中国越境ビジネス〜中国最大口コミアプリRED編〜
RED(通称 小紅書)は、2013年6月6日に誕生した中国最大級の女性向けクチコミアプリです。元々は海外ショッピングのガイドブックとしてリリースされたのですが、女性ユーザーの急増に伴って海外の美容関連商品情報を届けるためのクチコミアプリに変わりました。若く裕福な女性が主要利用者のため、運営会社「行吟信息科技有限公司」は2014年にREDにEC機能を追加しました。そこで、REDは日本でいうInstagramにEC機能が加えたイメージとなり、中国越境ビジネスをスタートする上で外せない越境ECプラットフォームに進化しています。
■小紅書(RED)の基本情報
運営会社 | 行吟信息科技有限公司 |
設立時間 | 2013年6月6日 |
投稿内容 | 化粧品・美容・ファッション・旅行・美食・ライフスタイルなど |
店舗モデル | 既存プラットフォームへの新規出店 |
越境ECシェア | 20年09月時点では2.7% |
MAU | 21年05月時点では1.3億人 ※MAU=月間アクティブユーザー数 |
人気用品 | 女性利用者向け商品、例:バッグ、靴、保健品、美容用品、個人ケア用品・・・ |
ユーザービリティ | インフルエンサー起点で商品紹介された場合、 興味をもったユーザーむけにアプリ内で購買行動(越境EC)が実現される |
特徴 | ① 買い物の感想/商品クチコミ/好みの共有と買い物が同一上で可能 ② 消費力・購買意欲が高いと言われているZ世代や中国都市部の女性が多い |
■REDの会社沿革
・2013年 上海で設立
・2014年 EC機能追加
・2015年 中国APP Storeで総合ランニングの4位を獲得
・2017年 Redelivery国際物流サービスをリリース、中国APP StoreでECランニングの1位を獲得
・2018年 ユーザー数1.5億人を突破
・2019年 ユーザー数3億人を突破、月間アクティブユーザー数1億人を突破
・2020年 ユーザー数4億人を突破
・2021年 ユーザーの毎日平均滞留時間47分間を突破、月間アクティブユーザー数2億人を突破
2021年12月22日、REDのCMO(Chief Marketing Officer)之恒氏はREDでの消費者像を紹介しました。REDユーザーの72%が1990年以降生まれ、50%が第一、二都市で生活する層となっています。この消費者像は競合他社が超えられない障壁であると同時に、そもそもこのゾーンの女性は高い購買力を持っているため、REDが大きな越境ビジネスチャンスがあることが期待されています。
■消費者視点からみるREDの使い方
REDでは3つの画面で、新たなコンテンツと出会えます。まずは、REDアプリを立ち上げると、最初に出る「Explore(探す)」の画面です。こちらは、ユーザー自分の閲覧履歴に基づいてユーザーむけに提案された投稿です。次は、「Explore(探す)」の左にある「Follow(フォロー)」の画面です。こちらは、自分自身でフォローしたお気に入りコミュニティーやアカウントから必ず配信される最新投稿です。最後は、「Explore(探す)」の右にある「Nearby(周辺)」との画面です。こちらは、地理的に近いインフルエンサーの投稿を見ることができます。
画面を問わず、各投稿内容は発信者アカウントと紐付けているため、クリックするだけで同アカウントの他の投稿履歴を確認できます。また、商品リンク付きの投稿内容であれば、REDのEC機能が紐付いているので、お気に入りの商品をそのままRED内で購入することができます。
■REDでの購入までの流れ
1. 新たなコンテンツと出会う
「Explore(探す)」という興味嗜好に基づく推薦/「Follow(フォロー)」というフォローしたインフルエンサーからの投稿/「Nearby(周辺)」という位置情報に基づく推薦
2. 閲覧した投稿から商品を提案される
3. REDで当商品の関連投稿を多く検索し、商品への理解を深める
4. 他の投稿から類似商品のことを知り、当商品に比較してから購入するかどうかを決定する
5. 購入ページに移動し、EC購買ができる
6. 商品が入手したら、使った感想をREDで投稿する
■企業側視点からみるREDの使い方
REDはSNS機能とEC機能を兼ね備えるため、クチコミ広告を利用したマーケティング活動として最も注目されています。企業が行う施策としては、REDにある企業公式アカウントのターゲティング広告かインフルエンサー広告で、商品情報に関する投稿の閲覧数を上昇させることです。もし商品の閲覧数を高めた後、商品の販売もREDで完結したい場合、REDでのEC店舗を開設し、商品を掲載する必要があります。その際に、企業公式アカウントから企業公式ショップを申請することが最適な方法となります。
公式アカウントになるために、商標や代理書などの書類で企業認証を行う必要があるため、消費者に安心感を与えることができるからです。実際には、現在REDでは1.3億人の月間アクティブユーザーがいると同時に、6.5万社以上の国内外企業が参画しています。しかし、企業公式アカウントの開設には、複雑な書類準備や、保証金の海外送金もあるため、投資回収率から考えると年商1億円以上を狙う企業様に向けた販売方法であると考えられます。
■REDでの企業公式アカウント開設のポイント
開設条件 | 現地法人が不要、販売商品に応じた必要書類があり |
初期条件 | 保証金 3500ドル、コミッション概算 10~15% |
おすすめ | 年商1億円以上 |
インフルエンサー広告を利用したい場合は、公式ショップ(企業公式アカウント設定)が必須となります。RED上の商品プロモーションはインフルエンサー広告が鍵となりますので、要点を以下でまとめさせていただきます。
■REDでのインフルエンサー広告運用のポイント
近年、REDの急成長に伴い、REDに登録済みのインフルエンサーを、各ブランドの広告に利用するように規定が変更されました。
1、ブランドパートナーの登録条件:ブランドパートナーは、各ブランドの情報を発信するインフルエンサーのことです。公式サイト以外に、ブランドパートナーからのSNS投稿がユーザーにとって非常に重要な情報になってきますので、ブランドの認知度を上昇するためにはブランドパートナーの活用は不可欠な要素になります。新版の「ブランドパートナープラットフォーム更新説明」(2019年5月10日)によると、フォロワー数5,000人以上、1ヶ月以内の投稿コンテンツの平均的な露出量10,000以上が、REDがブランドパートナーを承認する条件となっています。広告対価を受けられるインフルエンサーは良質なインフルエンサーに限定するというREDの方針です。
2、ブランドパートナーの投稿内容への要求:メーカーや広告会社などから商品を無料で提供される場合や、有料で投稿させる場合は公式ショップが不可欠です。その際にブランドパートナーが対価を受け取って情報を発信する際には、そのコンテンツが広告であることを表記する必要があります。
最後に
中国越境ビジネスをスタートするには、中国人消費者の購買行動の習慣を理解する必要があります。その習慣というのは、商品を初めて知って、意欲的にクチコミを検索し、商品を購入するまでの流れです。現在、購買力の高い中国の若い女性たちは、企業が発信する情報よりも、自分と同じ立場のユーザーや、インフルエンサーからの生の情報を信用する傾向が非常に強いのが実態です。商品のクチコミが集まる最大のプラットフォームはREDなので、まだ中国で知られていない商品を認知させ、購買まで完結させるプラットフォームとしては、REDが最適であり、またREDから天猫国際などの他のプラットフォーム上での商品検索を自然に誘発される二次期待効果も高いとえます。
ダイレクトチャイナは、これから中国でビジネスを検討される日本の企業さまに、中国式のマーケティングを提案させていただいております。特に、ダイレクトチャイナは中国系マーケティング会社と提携してREDのアカウント運用代行会社もご紹介させていただいております。中国市場向けのSNSマーケティングを検討したい企業さまは、お気軽にレポート上のお問合せ欄からご連絡くださいませ。
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