中国EC市場2021年の振り返り

-越境販促-

2021.12.31

中国EC市場2021年の振り返り

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2021年大晦日に今年一年の中国EC市場を皆さんと一緒に振り返ってみたいと思います。2021年の中国EC市場は急速に拡大し、宅配便の取扱個数も急増しております。中国国家郵政局は、2021年12月8日に中国の宅配便取扱量が史上初めて年間1000億件を突破したと発表しました。中国の宅配便取扱量は8年連続で世界一になったということです。

中国の宅配便市場は寡占化が進んでいます。年間業務量100億件超かつ収入1000億元(約1.79兆円)超規模の宅配便ブランドグループは3社となり、同グループを含めて全部で8社が株式上場を果たしております。これらの上場宅配企業8社は、1日あたり約7億人に対して宅配サービスを提供するとともに、年間で20万人分超の雇用機会を創出しました。

こういった上場宅配企業の多くは、ECプラットフォームの傘下にあり、商流と物流を合わせて成長戦略を実現しています。成長を続ける中国のEC市場ではどんな企業があるのか、中国のEC業界の発展を背景に、これから日本企業がどのような取り組みをしていくべきかを本レポートで考察していきたいと思います。

 

2021年の中国EC市場を牽引している大型プラットフォーム

2021年11月下旬に、中国EC市場の3大プラットフォーム(①タオバオ&天猫&天猫国際の運営会社であるアリババグループ、②ピンドウドウの運営会社である上海尋夢信息技術有限会社、 ③京東と京東国際の運営会社である京東グループ)が相次ぐ第3四半期(21年9月30日まで)決算を発表しました。

決算発表の結果によると、京東グループは2187億元の売上で、3大プラットフォームでの1位になり、昨対比25%の成長率を実現できましたが、ピンドウドウを運営している上海尋夢信息技術会社は51%の高速成長率を達成しています。また、中国ECの王者のアリババグループも29%の売上成長を実現しています。以下の表で詳細を比較してみます。

 21年Q3決算  アリババグループ  上海尋夢信息技術  京東グループ
 売上  2,007億元  215.1億元  2,187億元
 売上成長率  29%  51%  25%
 純利益  53.67億元  16.4億元  -28.07億元
 昨年同期純利益  287.62億元  -7.847億元  75.6億元
 純利益成長率  -81.34%  309.00%  -137.13%
 月間アクティブ
 ユーザー数
 9.53億人  7.415億人 ーーー
 年間アクティブ
 ユーザー数
 8.63億人  8.67億人  5.52億人

※補足:同3社の2020年度決算発表結果の比較表は以下のレポートで確認できます。

「巨大中国国内EC市場基盤のうえに成り立つ越境ECの躍進」

 

中国経済の専門家によりますと、地域で散発的に発生している市中感染が中国消費市場の回復を鈍化させました。また、今年4月にアリババが独占禁止法違反したとして、市場監督総局より182.28億人民元(約2,900億円)の行政処罰を課された以降、政府の管理も厳しくなっていると言われています。その結果、中国最大のEC商戦である独身の日セールには大きな異変が起きました。

2021年11月11日キャンペーン(独身の日)は10月25日からスタートしました。最終日の11月11日24時までにアリババ、京東の両グループとも世界を驚かせる流通総額を記録しました。EC最大手のアリババは、期間中の流通総額が5403億元(約9.6兆円)だったと発表。前の年より7500億円ほど増加しています。業界2位の京東グループは期間中の流通総額が3491億人民元(約6.2兆円)だったと発表しました。

今年度の商戦は例年と比べ、以下の2点で多く変わっています。まず、大型プラットフォームはそれぞれ、中国政府の炭素排出削減方針に応じるキャンペーンを企画しました。例えば、アリババグループは「グリーン会場」という環境に配慮したエコ商品を展示する特設売り場を設立しました。また、2021年各ECプラットフォームはいずれも、習近平指導部が打ち出した「共同富裕(共に豊かになる)」という格差是正のスローガンに配慮し、流通金額の速報を取りやめました。「共同富裕」とは、富を公平に分配し社会全体を豊かにしようとする政策です。政府は、中国EC市場の急激な発展に対してブレーキを掛けようという政策が見え隠れしています。

2021年の中国EC市場を再認識してきたライバー事件

2021年11月22日、タオバオライブでの超有名ライバーである雪梨氏と林珊珊氏は中国国家税務総局浙江省税務局当局に脱税行為があったと通達され、滞納金や罰金を含めて9千万元(16.1億円)以上を追徴されています。2019年から2020年の間、雪梨氏は8445万元(約15億円)、林珊珊氏は4199万元(約7.5億円)の個人所得を隠していたため、滞納金と罰金を合わせ、それぞれ6555万元(約11.7億円)、2767万元(約4.9億円)の追徴課税を受けました。

2021年12月11日に、中国版SNSウェイボで雪梨氏は1500万人以上のフォロワー、林珊珊氏は950万人以上のフォロワーを持っていましたが、ウエイボを含め、雪梨と林珊珊の名義のSNSアカウントは全てアクセスできなくなり、店舗も閉鎖されてしまいました。

さらに、2021年12月20日に、中国で知らない人はいない「ライブコマースの女王」である、スーパーライバーの薇婭氏(ウェイヤ―、36歳)も中国国家税務総局浙江省税務局当局に脱税で摘発されました。2021年のNHKの「クローズアップ現代+」にも出演していますが、2019年から2020年の間、約6.43億(約115億円)の所得を隠したため、追徴課税や罰金などで計13.41億元(約240億円)の支払いを命じられました。この事件当日にアリババグループの株価が3.01%下落するという事態にまで発展しました。

※「クローズアップ現代+」の特集「コロナ禍で“爆売れ” 急拡大ライブコマース」ページ

1.1億人以上のフォロワーも集めた彼女の複数のソーシャルメディアも、で2021年12月22日に全て停止されてしまいました。今年の「独身の日」に一晩で85億元(約1500億円)分の商品を販売した彼女のタオバオライブアカウントも消えました。

残念ながら、雪梨氏も林珊珊氏も薇婭氏も同じ時に同様の方法で脱税行為があったのです。個人所得を個人企業の企業収入にすることで個人所得税を逃れていたのです。浙江省税務局はエンタメ業界への税務調査を進める中、ビッグデータの分析によって3人の脱税行為を発見したのです。行き過ぎた成長に対して政府がブレーキを掛ける姿勢は、巨大プラットフォームだけにとどまらず、ECが生んだスーパーライバーまで摘発される事態へと発展しました。

最後に

2021年9月に中国政府がエンターテインメント部門の増税を発表しました。この取り締まり強化は、2021年8月に国家主席が格差解消を目指して掲げた「共同富裕」政策に応じたエンターテインメントおよびIT業界における過剰な収益を抑制する手段です。
中国政府は税制や社会保障制度を変更することで、高収入を得ている個人や企業に対して寄付や社会事業を通じた社会への還元を促進しようとしています。

しかし、データで見るように中国EC市場の急速な拡大を背景に、大手ECプラットフォーマーによる商流と物流を一体化したビジネスモデルは、もはや社会インフラとしての完成されつつあります。日本企業にとって、利益を出し過ぎた企業や個人に対して中国政府が干渉してくることをカントリーリスクと捉えるか、今後さらに持続的に拡大し続ける大きな市場としてビジネスチャンスがますます増えていると捉えるかは判断が別れるところです。
日本国内のEC市場も、コロナ禍をうけて拡大傾向にありますが、残念ながら中国のような内需の大きな成長はこの先も見込めません。日本で支持されている商品を中国巨大市場に販売していくという選択は、日本企業の今後の成長に向けた重要な戦略だと考えています。

ダイレクトチャイナでは、2022年も日本企業の皆さまが中国巨大市場に展開していくために商流と物流の両面でサポートできるよう取り組みを強化して参ります。また来年も引き続き何卒宜しくお願い申し上げます。

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