中国輸出できる商品・できない商品
越境EC事業を検討する際、日本で販売している商品を中国でも販売したいと通常は考えるでしょう。しかし日本で当たり前に売られている商品でも、中国には輸出できないものが数多くあります。
今回のレポートでは、越境ECの中国輸出規制について解説させていただきたいと思います。
中国越境ECで販売する商品は、中国の法律で流通が許可されている品目である必要があります。また輸送の安全性を確保するいう原則に従って梱包する必要があり、輸送の安全を脅かす商品は流通自体が禁止されています。越境ECを検討する際には、まず自分の会社が扱っている商品が禁止品の対象となっていないかを確認しましょう。今回は『中華人民共和国輸出入禁止貨物リスト』と『中国国家郵政局によって発表された郵送禁止品目の規定』が最も詳しく説明されているので、こちらを日本語訳したものを記載しておきます。
『中華人民共和国輸出入禁止貨物リスト』
一. 輸入禁止貨物
1. さまざまな兵器、模倣武器、弾薬、爆発物
2. 偽造通貨および偽造証券
3. 中国の政治、経済、文化、道徳に有害な印刷物、フィルム、写真、レコード、映画のフィルム、オーディオテープ、ビデオテープ、レーザーディスク、コンピューター記憶媒体およびその他の品目
4. あらゆる強力な毒
5. アヘン、モルヒネ、ヘロイン、マリファナ、その他の中毒性のある麻薬および向精神薬
6. 危険な病菌、害虫、その他の有害な生物を含む動物、植物、およびそれらの製品
7. 人間や動物の健康を害し、感染症流行地域から、病気を広める可能性のある食品、医薬品またはその他のもの
二. 輸入制限品
1. 無線受信・送信装置、通信機密保持装置
2. タバコ、酒
3. 絶滅の危機に瀕している貴重な動物、植物(標本を含む)およびそれらの種子と繁殖材料
4. 国の通貨
5. 税関によって入国が制限されているその他の品目
三. 入国が禁止される印刷物、録音と録画製品
1. 憲法で定められた基本原則に反対するもの
2. 国家の統一、主権、領土保全を危険にさらすもの
3. 国家安全または国家の名誉と利益を危険にさらす
4. 中国共産党を攻撃し、中華人民共和国政府を中傷するもの
5. 民族的憎悪、民族的差別を扇動し、民族的統一を損なう、または民族的風俗や習慣を侵害するもの
6. 邪教と迷信を宣伝するもの
7. 社会秩序を崩壊させ、社会の安定を損なうもの
8. 猥褻、ギャンブル、暴力を宣伝、または犯罪を助長するもの
9. 他人を侮辱または誹謗中傷し、他人の法的権利および利益を侵害するもの
10. 社会公徳や民族の優れた文化的伝統を危険にさらす
11. 国の管轄当局は、入国が禁止されていると認定されたもの
12. 法律、行政法規、国内規定で禁止されているその他のもの
『中国国家郵政局によって発表された郵送禁止品目の規定』
郵送禁止物は以下を含む。
1. 危険物(爆発性、可燃性、腐食性、毒性、酸性および放射性のあるもの)
2. 麻薬および向精神薬
3. 兵器と弾薬
4. 生鮮食品(新鮮な魚、新鮮な肉、新鮮な卵、新鮮な野菜)
5. 公衆衛生に影響を与えるもの(死体、日焼けしていない動物の皮、動物の臓器など)
6. 安全を保証できないもの:郵便局の職員に害を及ぼす可能性のあるもの、不適切な梱包により他の郵便物を汚す可能性のあるもの、郵送条件に適しない振動に弱い、損傷しやすいもの(水質、壊れやすいもの 、精密機器など)
7. 反動的プロパガンダ(中華人民共和国の国家安全を危険にさらすもの)およびわいせつ物
8. 流通または郵送が禁止されている品目(人民元、さまざまな外貨など)
9. 中華人民共和国の法律、法規、部門規則、および規範性文書で規定されているその他の郵送禁止物
ガイドラインとして押さえておくべきは、越境ECで禁止される商品の傾向は3つに要約されます。
第一に、中国の国家体制に悪影響を与えるものはNGです。政治的な要素の強い書籍やDVDなどは当然のことながら規制の対象となります。
第二に、毒性や中毒性の高い商品は禁止または制限されています。弊社へのお問い合わせが多いお酒も中国へは越境ECではなく輸入ライセンスをもった中国のインポーターへの一般貿易しか現時点では認められません。19世紀に歴史的にアヘン戦争で国が弱体化した負の歴史を踏まえて、同じ失敗はしない国の方針が伺えます。
第三に、そもそも越境ECとして対象にできない商品です。通貨や動物などがこれにあたります。
最後に
中国で商品を販売するためには、きめ細かな規制にパスする必要があります。上記のガイドラインも参考になりますが、最終的には税関のチェックを通らないと輸出できない仕組みとなっています。同じ商品カテゴリーでも輸出可能なものと、輸出不可のものが税関から指示されます。思わぬトラブルに巻き込まれないためにも、海外配送には注意を払いたいものです。ダイレクトチャイナでは皆さんの取扱商品が輸出可能かどうかを確認することもサポートさせていただいております。気軽にお問合せください。
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