中国におけるバレンタインデーの小売盛況を解説~「インスタントリテール」モデルの時流に乗って~

-越境物流-

2023.02.27

■はじめに

バレンタインデーは、日本だけでなく、中国でも人気キャンペーンとして消費者は楽しみにしていますし、それを狙って各企業もマーケティングを仕掛けています。2月14日のバレンタインデーによる経済効果を中国語で「浪漫経済効果」といいますが、2月はECのなかで注目のテーマでした。 本レポートでは、バレンタイン期間のデータから見る中国の「インスタントリテール」業界と人気商材の現状を解析します。

 

■バレンタインで活躍している「インスタントリテール」

「インスタントリテール」が初耳の読者様が多数いらっしゃると思います。「インスタントリテール」はそもそも中国発の造語で、近年の流行後と言ってもいいでしょう。

「インスタントリテール」(中国語=即時零售)とは、ECで購買しても数時間で届く新しい小売の仕組みです。具体的な例として、中国で有名な食材購買アプリ「叮咚買菜」では、注文すると30分以内で配達するサービスを提供しています。

バレンタインデーで遠距離恋愛やサプライスをあげたいカップルが「インスタントリテール」を使うケースが特に多くなってきています。

中国最大の出前アプリ「美団」の統計データによると、2023年2月6日から2月12日までの間、プラットフォーム上での「バレンタインデー」の検索ボリュームは増え続け、前年同期比で378倍、「バレンタインデー」関連商品のインスタントリテール業の売上は10倍以上になっています。

インスタントリテールのビジネスモデルを、プラットフォーム型を例にとって説明していきます。プラットフォーム型モデルは、オフラインの店舗や倉庫を持たず、オンライン取引集約プラットフォームを通して、リアル店舗のスーパーや小売店舗などに参加を募っています。オーダーフローは、まずは、消費者からオーダーが来たら、プラットフォームを通してオーダーがリアル店舗に流れますので、店舗にて商品をピッキング梱包し、配送します。消費者の住所に近いリアル店舗にオーダーが流れる仕組です。

次に、プラットフォームは配達員とリアル店舗をマッチングさせ、配達員に店舗からの商品引取りを指示します。そしてオーダーした消費者宅に超短期で配達を完了するわけです。

最終的に、商品を消費者に届けてオーダーを完了させるというのは一般的な流れとなります。

 

■バレンタイン関連商品の消費者画像

バレンタイン関連商品が最も売れている都市を見ると、キャンペーン期間の数週間でバレンタイン関連商品の売上が最も多かった上位20都市のうち、13都市が南部の都市で、広東省が4都市ランクインし、省都の広州が1位となっています。

バレンタイン商品の売上順に、TOP10は広州、上海、北京、深セン、成都、合肥、重慶、南京、済南、仏山となります。

基本的には可処分所得の高いエリアにて、バレンタイン関連商品の売上が上がっています。

なお、年齢層から見ると、バレンタインデー関連商品を購買した消費者の中で、年齢別に見ると、20〜35歳が全体の8割近くを占めております。さらに細かくみると、30~35歳が最も多く約26.1%を占めており、次いで25~30歳が約26%で、20~25歳は約23.6%と比較的少ない割合となっています。

さらに、検索者の約6割が女性、約4割が男性ということでした。日本は女性から男性へのプレゼントの日のイメージが強いですが、中国では双方がプレゼントを贈る習慣が見えてきます。

 

■中国におけるバレンタインの人気商材

日本ではバレンタインと言えばチョコレートを贈る風習がありますが、中国のバレンタインの定番はやはり花束だと言われています。

2023年のバレンタインでは、定番の花束に加え、化粧品やデザートも恋人に贈るプレゼントとして人気があります。美団のデータによると、花束、口紅、化粧品、香水、チョコレート、ケーキのインスタントリテール売上高は、2023年2月6日から2月12日までの間、その前の週に比べてそれぞれ3%~66%も増加していました。特筆すべきは、花束で1週間で166%の売上となっています。

■まとめ

中国の「浪漫経済」は経済回復に明るい兆しをもたらしています。オンラインとオフラインをつなぐ新しいインスタントリテールの形式は、EC店舗だけでなく、実店舗にも売上を伸ばす機会を与えています。「インスタントリテール」というビジネスモデルは、中国独自のスタイルのOMOの一環としてこれからでも進化し続けます。

本レポートでは「インスタントリテール」を紹介しましたが、中国で店舗を持っていない日系企業にとっては遠い国の話に感じるかもしれません。中国は日本にとっても隣国の巨大市場です。中国市場開拓はあらゆる業界において重要な課題になってきています。中国で自社ブランドの商機を探る際には、まずは越境EC店舗という形でテストマーケティングをすることがおすすめです。

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【参考資料】

https://finance.sina.cn/2023-02-14/detail-imyfsfvs9206836.d.html

http://finance.sina.com.cn/tech/csj/2022-10-08/doc-imqqsmrp1801916.shtml