2023年前半中国宅配市場最新レポート

-越境物流-

2023.08.16

中国国家郵政局が、中国宅配業界最新の発展状況「2023年前半中国宅配便発展指数(CEDI)」を公開しました。この指数は、2010年を100として中国の宅配便の発展状況及び発展水準を評価したものになります。中国の宅配物量の伸びを掴むのに非常に重要なデータですので今回はこちらを紹介します。

2023年上前半中国宅配便発展能力指数は366.3で、2021年6月の指数390.1にはまだ届かないものの、2022年6月の指数289.4比26.5%増でした。2021年比はコロナ禍で爆発的に宅配物量が伸びた時期でしたので、宅配物量の記録更新とはいきませんでしたが、昨年対比では安定した物量の伸びを記録しています。2023年前半、中国宅配便の取扱個数は600億件でした。前年同期比17%増、約100億件増加しています。2023年、宅配企業の日平均処理数は前年同期比10%増、3.3億件を超え、中国宅配市場収入は、昨対比10%増の5500億元(約10.99兆円)に達しました。

※1:中国国家郵政局

新型コロナウイルス感染拡大を封じ込むために中国政府は「ゼロコロナ政策」を維持してきましたが、経済成長に多大な影響が出ました。一方、2023年1月以降は、隔離措置を撤廃し、人々の往来と経済活動が再び活発化したことで社会全体に回復傾向が見られます。中国の宅配市場がいち早く回復したのは、EC市場の回復と深く関わっています。2023年のオンライン小売額は前年比13.1%増の7兆元(約139兆円)を超えています。

2022年まではコロナ禍で「ゼロコロナが政策」による厳しい隔離政策が敷かれため、失業率が上がり、高まる節約志向により消費も抑えられていました。しかし、2023年に入り、コロナ政策が緩和され、オンラインショッピングで消費意欲が回復しました。2023年前半大手ECプラットフォームでは「618」など大型販促キャンペーンが数回開催され、越境ECの売上増により、宅配業界が前述のように昨対比取扱件数17%・市場収入10%の回復を遂げました。

2022年時点中国Eコマースの利用者数は8.68億人で、ネットユーザー全体の81.5%を占めていましたが、2023年Eコマースの利用者数は9.21億人まで増加しました。ネットユーザーはほぼEコマースの利用体験を済ませていると考えていいでしょう。スマートフォンの普及率とECプラットフォームユーザーの高齢化傾向が今後も続きますので、中国のEC・小売市場は完全に回復傾向に戻っているとダイレクトチャイナでは分析しています。ここ3年間の中国のEコマースの動向を整理すると

2020年:突然のコロナ禍でリアル店舗からEコマースへの加速が進んだ
2021年:長引くコロナ禍でEコマースへのシフトが続く上に、社会インフラとしてライブコマースが成長し、宅配物量が市場最大になった
2022年:中国政府のゼロコロナ政策のマイナス面が国民生活に影響を及ぼし、節約志向が国内に広がった
2023年:本格的にアフターコロナステージに入り、徐々にではあるが、消費生活が回復し出してきた

このような時流の変化を掴むと、中国市場は日本の商品を販売する海外市場としては最優先の市場であることは全く変わらないと言っていいでしょう。中国はECだけでなく、今月中国人団体旅行規制が解禁されると共にインバウンド需要の回復も期待できます。インバウンド旅行者が増えると、越境ECが増える善循環に戻りつつあります。

ダイレクトチャイナでは、越境ECの物流や販売促進をテーマとした中国の最新時流を発信し続けています。中国EC・越境物流に興味がある、挑戦してみたいという方、または中国ECに展開済みで事業の見直しを図りたい方はダイレクトチャイナまでお気軽に相談ください。個別面談やお見積りも対応しておりますので、個別問い合わせフォームからのお問合せをお待ちしております。

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