越境ECに活かせる補助金を知ろう!②~ものづくり補助金の基本~

-越境販促-

2023.05.15

皆様、こんにちは!ダイレクトチャイナをご愛読いただきありがとうございます。

先月は中小企業の補助金でも一番注目されている、事業再構築補助金についてレポートさせていただきました。

今回はものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金についてご紹介します。

 

■ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金とは

中小企業・小規模事業者等が革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等の一部を支援・補助することを目的に設立された公的給付金です。一般的に「ものづくり補助金」と呼ばれています。

 

この補助金には以下5つの枠組みがあり、申請する会社のビジネスモデルに合わせて、どの枠を申請するかを決定する必要があります。

出典:成長戦略株式会社4月25日セミナー資料

越境ECを検討されている方が多くいらっしゃると思いますので、グローバル市場開拓枠 海外市場開拓(JAPANブランド)類型が公募対象となることが予想されます。今回は、この枠の詳細について説明していきます。

 

このグローバル市場開拓枠は今年から、ものづくり補助金に組み込まれました。その大きな目的は、海外市場を開拓する企業や、インバウンド市場を開拓する企業を補助するためです。グローバル市場開拓枠、海外市場開拓枠は、ビジネス展開後の販売促進費も補助対象となっているため、越境ECビジネスにとって非常にメリットの大きい補助金といえます。

 

この補助金は、「ものづくり」が主テーマですので、単純に中国に越境ECですでにある商品を販売するビジネスは対象ではありません。中国ビジネスを想定した場合、次の2つの方向性が考えられます。

 

方向性1:中国むけに新たな製品を開発検討し、生産方式から検討して全く新しい技術や生産方式を取り入れた製品を世に生み出す。

 

方向性1の採択済み企業でよくみられるのが、生産ラインを見直したり、新しい技術を取り入れた新製品を開発したり、といった製造業での取り組みです。越境ECで例を挙げると、化粧品メーカーが新技術や新素材を新たに製造ラインに組み込むといったビジネスがイメージしやすいかと思います。自社や委託先に工場をお持ちで、生産ラインや生産方式まで自社が関与できる領域があれば、この補助金活用をぜひ検討いただきたいと思います。

 

方向性2:新しい販売の仕組みを開発し、既存のプラットフォームに依存しない売り方を導入する。

 

方向性2は、販売の仕組みづくりに注目した新規ビジネスになります。越境ECで当補助金活用を考えられるモデルとしては、決済、物流の仕組みを組み込んだWeChatミニプログラムや自社アプリなどを開発して、自身で顧客を獲得して販売する仕組みを構築するビジネスです。ただ、世の中にすでにある販売の仕組みをそのままコピーするだけでは、新規の技術という観点で補助金対象になりにくいと言われています。新しいビジネスモデルのどの領域に独自性や新規性を訴求できているかが、採択を決める審査員の皆様の注目ポイントです。こちらの方向性を検討できる企業さまは早期に補助金の専門家に相談されることをお勧めします。

 

■グローバル市場開拓枠 海外市場開拓(JAPANブランド)類型 採択事例

以下は第13回(前々回)の採択事例です。ほとんどが新商品開発を主テーマにしたものです。もともとは製造業むけの補助金なので、上記の方向性1に沿って製造業の方がしっかり準備されていたのかもしれません。

商材 事業計画名
多様な髪質に対応する立体的一体形成し表面加工した和櫛開発
管理システム 外部向け研修に特化した、海外市場向け研修管理システムの開発による海外事業の拡大及び強化事業
計温チップ グローバル市場を開拓!日本初のペーパー電池搭載NFC計温チップ
リスキリング支援 リスキリング支援によるミドル世代起業の促進及び国内スタートアップ によるインド市場の開拓支援
プラズマ装置 青果物生産時のロスを減らすプラズマ殺菌装置開発事業

 

■手続き概要

手続き概要は以下のとおりです。詳細は以下のリンクを確認ください。

https://portal.monodukuri-hojo.jp/

 

(1)公募期間

15次公募締切日:令和5年7月28日(金) 17時

(2)申請方法

GビズIDプライムアカウント(https://gbiz-id.go.jp/top/index.html

(3)グローバル市場開拓枠 海外市場開拓(JAPANブランド)補助金額・対象経費

補助金額 100万~3000万円
補助対象経費 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用日、原材料費、外注費、知的財産権等関連県費、海外旅費、通訳・翻訳、広告宣伝・販売促進費*
補助事業の実行期間 交付決定日から12か月以内(交付発表日から14か月後の日まで)

*グローバル市場開拓枠 海外市場開拓(JAPANブランド)のみ経費対象

 

■まとめ

ものづくり補助金は「新分野展開」「事業展開」等が目的の事業再構築補助金と異なり、「革新的サービス開発」「生産性の向上」が目的となります。

主に中小企業が行う設備投資、研究開発費用の補助を対象としており、製造業またはビジネスモデルをものづくりとして新規開発するベンチャー企業に向けた補助金であると判断しています。

ものづくり補助金の申請には専門家を交えて検討する時間が不可欠ですので、16次公募にむけた準備を推奨しております。ダイレクトチャイナでは、パートナーである補助金相談の行政書士事務所もご紹介可能ですので、お気軽にお問合せください。

今後もダイレクトチャイナでは、皆様の役に立つ情報を更新してまいります。

ご不明な点等ございましたら、当社お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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