中国で進化が進むニューリテール(新小売)

-越境販促-

2023.09.29

皆様、こんにちは!

ダイレクトチャイナをご愛読いただきありがとうございます。

今回は中国で進化が進むニューリテール(新小売)について紹介いたします。

ニューリテールとは、オンラインとオフラインを融合させた小売業のDX化を実現した概念です。
2016年アリババグループにより初めて提唱されたと言われています。
「2022年中国即使零售发展报告」によると2021年OMO市場規模は3.3万億元(70兆円)を超えており、小売の時流と言っても過言ではありません。
代表事例はアリババ系列の生鮮スーパー、「盒马鲜生(以下、フーマー)」です。

出典:百度百科

アリババの競合である京东(JD.com)はオフラインで7freshという生鮮スーパーを運営しています。


出典:百度百科

 

■フーマーとは

通常のスーパー同様の店頭販売に加え、オンラインショッピング、食材の調理加工、配送を行うOMO型生鮮スーパーです。
OMOとはOnline Merges with Offlineの略で、オンラインとオフラインを区別せず、新しい購買体験を提供する小売業態のことです。オンラインで情報を得た顧客を実店舗へも動員を促す手法であるといえます。

同じような考え方で、O2Oもオンラインできっかけを作ったユーザーをオフラインに誘導することを目的としてういますが、O2Oでは目的に応じてオンラインとオフラインのチャネルの使い分けを重要視しているのに対し、OMOでは使い分けではなく、連動させる戦略を実践しています。

出典:捜狐新聞

具体的に見ていきましょう。

一番大きな特徴は、店舗にいながらECで購入し、自宅への配送が可能であることです。フーマーでは店舗から3km圏内であれば、無料で30分以内に目的地に届ける配送システムを提供しており、中国ユーザーの心をつかんでいます。
今年9月には新たに30店舗の開店を予定しており、店舗数は350店舗に上る予定です。フーマーが多店舗展開されてきて、大きなショッピングモールにもテナント出店していることから、生活圏にオフライン店舗が存在し、より行きやすくなった一方、店舗に行かないユーザーへの利便性も追求し、オンラインでの商品購入の利便性も高まってきていますので、ユーザーのニーズが多様化する時流に適応して、自社のユーザーを拡大する試みが奏功している好事例であるといえます。

今回取り上げたフーマーの事例に代表されるように、オンラインとオフラインを融合したニューリテール市場の拡大が今後の中国で加速すると考えられます。

 

■まとめ

本レポートでは、オンラインとオフラインの融合が進んだ「ニューリテール」という概念と、その具体例であるフーマーについて紹介しました。中国のEC慣れしたユーザーのニーズはより多様化しており、EC企業側もそのニーズの変化に迅速に手を打ち、伝統的な小売業態とは異なる戦略をとって成果を上げている好事例です。

ダイレクトチャイナでは、中国物流事情の最新時流をお伝えしています。
越境ECをこれから検討する企業様や、物流の見直しを図りたい、配送コストを削減したいお客様がいらっしゃれば、当サイトのお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。

個別にご説明させていただく機会をご用意させていただいております。