もう迷わない!!中国越境EC2つの物流モデルを徹底比較~保税区モデルと直送モデル~

-越境物流-

2021.09.21

1、越境EC物流モデルの考え方

 中国への越境ECの物流を組み立てる場合、最初に考えるべきは2種類の方法があります。ひとつは保税区(出荷が確定するまで税金のかからない方法)に在庫して、商品を引当てから通関を行って消費者に配送する「保税区モデル」です。ある程度の商品販売量が見込まれる場合に選択する物流形態となります。

 もうひとつは、エンドユーザーからのオーダーごとに日本に在庫されている商品から中国人ユーザーへ直接発送する「直送モデル」です。

2、保税区モデルについて

 まずは、越境ECでよく使われる大手プラットフォームが推薦する「保税区モデル」です。

 2.1保税区モデル基本知識

 越境ECでいう保税区は、その地にありながら、海外から発送されたものを一時的に保管する区域のことです。これは、いわゆる関税がかかる前で手続き上は輸入前の状態と言えます。越境ECサイトで注文を受けた場合は、この保税区の商品を梱包し、通関を通って注文者の元へ配送されます。

 保税区モデルには 2 種類あり、中国税関が指定する越境 EC 保税区内に商品を保管し国内に配送する「備貨式」と、日本など中国外にある海外倉庫に商品を保管する「集貨式」に分かれます。中国の大手プラットフォームは中国国内に在庫する「備貨式」を推奨しています。

 2.2保税区モデルの税率

 税金については越境EC電商税が適応され、増値税と消費税を合算して課税されます。この合算は下記のように非常に複雑な計算式を活用しています。対象商品については国務院がポジティブリストを公開しており、現在は1413種類の商品が掲載されています。保税区モデルの場合は、総合税率として増値税と消費税を合算した総合税率を適応することになります。主な商品の総合税率は以下の通りです。

 2.3、保税区モデルのメリット&デメリット

 この保税区モデルにかかる日数はおよそ5日間ですが、「保税区モデル」の場合、売れるかわからない商品を中国の倉庫に入れておかなければなりませんので、在庫リスクが高まります。

 2.4、こんな企業に保税区モデルをすすめます

 ある一定数の安定出荷があり、伸び続けている成長段階では「保税区モデル」がおすすめです。ブランド知名度が上がっていますので、顧客へのリードタイムの短縮、配送コストも抑えられます。

3、直送モデルについて

 次は「直送モデル」です。直送モデルには2種類の方式があり、関税方式が異なります。基本的に大手のプラットフォームで指定される直送モデルは「EC総合税方式」ですが、それ以外にも「行郵税方式」での直送モデルも併用されています。

 「EC総合税方式」の税率は基本的に保税区モデルと同じですが、中国で在庫をしない分リスクが軽減されるメリットが大きいといえます。しかし、エンドユーザーごとに配送しますのでユーザーまたは出荷者が負担する配送コストが保税区モデルに比べて高くなります。安定した大量出荷量が見込まれないスタート段階で選択することが多い物流形態です。

 もうひとつの「行郵税方式」は個人対個人の海外発送に使われる物流形態ですが、大手プラットフォームの規制がない自社サイトでの販売などでも一般的に選択されています。

 それでは、直送モデルに共通する物流形式をさらに詳しくみていきます。

 3.1、直送モデルとは

 直送モデルは保税区モデルと大きく異なるのは、あらかじめ中国に荷物を預けない点です。中国の消費者が EC で海外から直接商品を購入する場合、リストで審査し、まとめて申告する通関方式です。

 注文をいただいたら日本にある商品から出荷をするパターンで、このモデルにかかる日数はおよそ7日間です。もちろん、通関を通って関税を支払ったうえでの配送となります。

 3.2、直送モデル(行郵税方式)の税率

 直送モデルの税率は前述のとおり、大手プラットフォーム推奨のEC総合税方式を採用した場合は保税区モデルと同じになりますが、もひとつの行郵税方式を採用して、日本から直送した商品は保税区モデルとは異なり「行郵税」(13・20・50%の何れか)が賦課されます。行郵税は税額50元以下は免税ですが、免税枠を超えた直送商品への賦課状況は商品ごとに13%~50%で設定されています。主な商品の行郵税は以下の通りです。

 3.3、スタート段階での物流方式の選択

 越境ECのスタート段階では在庫リスクを抱えない方が良いですので、直送モデルが基本になります。直送モデルでEC総合税方式を採用するか行郵税方式を採用するかは、原則として商品を販売するプラットフォームによって決定されます。自社サイトでの販売の場合は基本的には行郵税方式になります。

 3.4、こんな企業に直送モデルをすすめます

 すぐに越境ECを始めたいスタートアップの企業様には、「行郵税方式の直送モデル」をおすすめしています。書いていただく書類がいくつかございますが、最短で4~5日で発送ができます。

まとめ

 はじめての中国越境ECの物流方式は以下のようなケースが以下のような物流を選択すると整理できます。

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