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中国ECと言えば、、、

二大巨頭Alibaba傘下の天猫、京東、ライブコマースをけん引する中国版TikTokの抖音が有名です。今、中国市場で急成長しているのが、共同購買が売りの拼多多（Pinduoduo）です。

今回は拼多多のサクセスストーリーをご紹介いたします。

■拼多多とは

出典：　百度百科

拼多多は2015年にサービスを開始したECプラットフォームで、生産者は消費者から注文を受けてから製造するC2Mモデルを基本とする特徴があります。

ユーザー同士が家族や友人、見知らぬ人同士で商品をできるだけたくさん購入することで、一個あたりの価格を下げる”共同購買”を大きく打ち出しています。いまでは、中国国内での知名度、使用度は天猫、京東に並び、第三勢力といえるまでに成長してきました。

21年時点で年間アクティブユーザー数は約8.5億人を記録しており、2022年9月には越境ECプラットフォーム「Temu」の展開を開始しました。日本では2023年7月からサービス開始していますので、すでにご利用されている読者の方も多いのではないでしょうか？

2023年12月31日時点での企業価値は前年比91％増加13,768億元（約28兆円）を記録し、アリババとの差を190億元（約3,900億円）にまで縮めました。海外市場への展開も加速していることから、さらなる成長が期待されます。

■なぜ急成長が可能だったのか

①選ばれる理由：安さ

ブランドやベンダーから、大量に集団購入、共同購入することで、より安い価格で仕入れ、より割引のきいた価格を反映させることが可能です。中国人ユーザーはECでの購買行動に慣れています。大手プラットフォームで競争が激化し、価格競争に入った段階で出現した拼多多は自社の強みを発揮して第三勢力にまで上り詰めました。

②ユーザー獲得の鍵：テンセントとの協力関係

テンセントは中国版LINEであるWeChat、QQ等を運営する中国最大のIT企業です。近年はゲーム、生成AIの開発にも力を入れています。

中国でのオンライン決済はWeChat pay（テンセント）、Alipay（アリババ）が大きく占めます。SNSサービスであるWeChatは月間アクティブユーザー数13億人を超え、中国人で使用しない人はいないと言えるSNSです。それに加え拼多多との直接連携（商品共有、決済）が可能であることが有利に働き、短期間でユーザー数の急上昇につながりました。

③ターゲット層：下沈市場（3線都市以下の地方都市、農村地域）

中国２大ECである天猫、京東がターゲットとしなかった下沈市場をターゲットに絞ったことで、出店者の増加を図りました。出店に際し、1000元（約2万円）のデポジットのみで資産証明が必要ないことが、他のプラットフォームで出店に至らなかったターゲット層の敷居を下げることにつながったと言えるでしょう。

■今後

先述の通り、拼多多は2022年9月から越境ECプラットフォーム「Temu」の展開を開始しました。

出典：百度百科

アメリカでは、サービス開始当月にApple Store、Google Storeのダウンロード数でトップを記録し、ユーザー数は全世界で4.67億人（2023年12月）を突破しました。

Temuは、安さの強みに加えて、TikTokやInstagramを利用した広告の打ち出しに注力し、ユーザー数拡大を実現させました。近い将来は、Amazonの絶対的な存在に対抗する中国発の新興勢力になってくるかもしれません。米中間の経済摩擦があるなかで、２年かからずにこれだけのユーザーを獲得した武器は、ずばり「安さ」といえるでしょう。中国国内版である拼多多の戦略同様にAmazonが相手にしなかったユーザーにアプローチできたことが奏功したといえます。

■まとめ

本レポートでは拼多多のサクセスストーリーについてご紹介しました。天猫、京東は知っているが、拼多多についてはあまり知らなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

天猫や京東の方が安全性という面で保証があるため、日本ブランドの進出には適していますが、マーケティング戦略を立てる上で、出店費用の安さという点からも拼多多は無視できないプラットフォームになってきています。

中国市場への進出に興味がある、またご不明点等ございましたら、個別相談を随時受け付けておりますので、

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