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今回は2023年の中国EC市場の振り返りとなります。本レポートでは、2023年の中国EC市場の状況を解説するとともに、
4つの観点 ①中国経済 ②中国EC市場 ③中国越境EC市場 ④中国人消費者の日本商品に対する嗜好
から来年以降の時流予測を考察します。
①中国経済
3月の開催された人民代表大会にて2023年度の実質GDP成長予測は、昨年度から0.5ポイント引き下げ、5%前後に設定されました。以前は二桁成長を続けていましたので、アフターコロナの現在では中国経済は完全に安定成長に入っていると考えるべきです。中国国家統計局が10月に公開した1-9月期のデータによると、今年第1-3四半期(1-9月)の中国の国内生産(GDP)は91兆3027億元(速報値、約1850兆円)、前年同期比で5.2%増となりました。
出典:人民日報
また国際通貨基金(IMF)は11月、コロナ後の経済回復を理由に2023年中国の国内総生産(GDP)成長率予測を5%から5.4%に引き上げました。一方で不動産業界の不振等の原因により、2024年の成長予測は4.6%に減速する可能性を指摘しています。いずれにしても人民代表大会の予測とIMFの予測はほぼ同じ水準となっています。
②中国EC市場
経済産業省が2023年8月31日に発表した「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2022 年の中国における EC 市場規模は 2 兆 8,790 億 US ドル であり、前年比で 9.1%の増加であったと推計されており、今後も EC 市場は拡大傾向にある予測されています。中国全体のGDP成長が5%前後に対して、EC市場は9.1%の成長を遂げたということは、中国国内の内需は非常に安定した成長が見込まれることを意味しています。
プラットフォームのトップ3は不動のアリババ、JD.com(京東)、Pinduoduo(拼多多)ですが、特に2016年にDouyin(日本でTikTokを運営している会社)がEC市場に参入してからというもの、ライブコマースの市場規模は拡大し続け、売り上げも急激に増加しています。
(2017-2023年(予測値)ライブコマース市場規模及び成長率)
出典:艾端咨询
現在、ライブコマースでの売り上げはEC流通取引総額全体の1/4を占めるようになっており、今後も市場規模の拡大が期待されます。
③中国越境EC
出典:令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)
中国越境ECの市場規模は今後も増加傾向にあり、2024年には1,824億USル(前年度比6.4%)を達成すると予測されています。
最近の傾向としては、日本から中国に対しての越境販売で、化粧品、美容機器、健康食品など越境ECで購入すべきものとして定着できたブランドが安定した成長を牽引しています。
一方で競争が激しくなっていることで、マーケティング投資ができない無名のブランドの新規参入は年々難しくなってきています。
出典:令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)
商品の見つけ方は主にSNSが主流となるため、海外企業にとっては中国SNSをどのように活用するかが問われます。
同資料によると、中国のEC利用者は25-44歳が60%を占めるため、先述したDouyinの他、中国の若年層から人気を誇る中国版インスタグラムともいえるREDの運用が勝負の分かれ目となります。
KOLやKOCからのお墨付きが出れば、その分注目度も上がるため、マーケティング戦略が非常に重要となります。新規参入ブランドはDouyinとREDに優先的にマーケティング予算を確保することが最低限求められます。
(2018-2025中国オンライン広告及びEC広告市場規模)
(2018-2022年KOL全体の市場規模)
出典: 艾端咨询
④中国人消費者の日本商品に対する嗜好
出典:令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)
中国消費者が越境ECを利用してまで購入したい日本の商品は、美容コスメが44%、衣料品/アパレル43%、食料品・アルコールが33%を占めています。
今年度の618やダブルイレブンでは中国ブランドの人気が急上昇していましたが、それに負けず劣らず、日本の商品も中国人消費者の心を掴んでいます。美容コスメ分野では、資生堂のSKII等、比較的価格が高級なものブランドの正規品を購入したいという消費者が多くいるようです。
2023年の中国EC市場は「コロナからの回復」、「継続的成長」を証明した一年でした。市場規模の拡大が進むにつれ、その動向が世界からも注目を集めています。
ダイレクトチャイナでは2024年も引き続き日中越境EC市場、中国市場に興味がある企業様に向けて、商流と物流の両面でサポートを行っております。
興味があるが正攻法が分からない、もっと詳しく知りたい等ございましたら、個別相談の機会を設けておりますので、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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